こんにちは。カラリストスクール・ワムI.C.I 田口です。
タイトルを見て、「何、当たり前のこと言ってるの?」と思った人もいるでしょうね。
でも、セラピストも人間なので、体調のいいときも、悪いときもあるし、家族のごたごたで頭がいっぱいのときもあるし、はっきり言って「他人の相談に乗ってる場合か??」というような状態のときもあるんです。
しかし、一旦、セラピストとして相談を受けたなら、その時間は100%相談者に向き合う時間にしなければなりません。
お金をいただいているから?
いえいえ、そうではないのです。
100%相談者に向き合っていなければ、それはすぐに相談者に伝わってしまうんです。今日はそんな話です。
以前、私は電話でご相談を受ける仕事をしていたことがあります。電話ですから、相手の顔は見えませんし、その電話は匿名でかけてよいという電話相談でしたので、相手の名前もわかりません。
あるときの電話相談のことです。
その人は、すごく沈黙が長い。ぽつぽつと話しては、しばらく沈黙してしまう。そういう人でした。
ご相談者が沈黙してしまうことは、そんなに珍しいことではないし、私はその方のペースで話してもらうほうがいいと思い、私もかなり長く黙っていました。
そうしたら、ふとその人が、
「なんだか、電車の席に隣り合わせで乗っているみたい」と言ったんです。
「それはどういうこと?」と話を聴いてみて、私は本当にへこみました。
なぜなら、その人が言う「電車の席に隣り合わせ」という意味は、近くにいるけれども何の関心も払わないことだということがわかったから…。その人は、電話に出た私がその人に対して関心を払っていないということを言っていたのでした。
そう。そのときの私は、長い沈黙のなかでふと別のことを考えてしまっていたのです。
電話という顔の見えない状態、そして、ただお互いに黙っている時間を共有しているそれだけでも、相手に100%向き合っていなければ、それが通じてしまうんだということが、そのとき本当によくわかりました。
それ以来、どんなときも、ご相談者との時間は100%相談に来た方のものと肝に銘じています。
ですから、マンツーマンでセラピーをおこなう時間や空間はとても大切。しっかりと相談に向き合えるように整えてくださいね。
そして、プライベートで心配事などが仮にあったとしても、セラピーの時間だけはご相談者だけに向き合う時間と割り切ってください。
でもそうやって、ご相談者に向き合ううちに自分の悩みが解消されることもあるんですよ。不思議ですけど、セラピストってそういうものみたいです。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
(田口さつき)
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